そのままに在るだけで、もうすでに”自分らしさ”はそれぞれに出ているものではあります。
しかし、「自分の望むままの”自分らしさ”を実現する」 ということは誰にとっても自然にできることではなく、状況によっては抵抗感や恐怖、不安を感じるものであるかもしれません。
今回休学体験談を書いてくれた今村さんは、休学という選択をすることが、自分らしさを追求し、それを実現するような現在の生き方のきっかけになった、と語ります。
<今村ちひろ さん プロフィール>
ー学校・学部・学年
名古屋外国語大学・世界共生学部・4年
ー休学中どんなことをしていたか
前半の半年は、NPO法人SETで Change Maker Study Program (以下CMSP) という地域おこしプログラムのスタッフと、ベンチャー企業での長期インターンを並行してやっていました。
CMSPでは毎日目の前の仲間や町の人に向き合って、インターンでは毎日成果や課題に向き合って、それに加え初めての東京生活、初めての一人暮らし、など、とにかく新しいことを一気に始めすぎて基本的な生活状況は正直ボロボロでしたが、忙しい!充実!楽しい!が先行して、休みなんて無くても元気に動き続けていました。
後半の半年は、前半のハードさが限界に達して心身共に疲れてしまったので、しばらく引きこもりニートになり、ぽつりぽつりとやりたいことが浮かび始めたらやってみる、できそうなことだけ手を出してみる、みたいなことを繰り返していました。
なんというか調子良く生きるためのリハビリみたいな感じでした。元気になってきたらめちゃくちゃ遊びたくなったので夜勤バイトで集中してお金を稼いで、尽きるまで遊びまくりました。
ー現在のくらし
相変わらず、気分の波激しめ・拠点移しがち・緩急多めな日々を過ごしています。
オンライン授業になったので大好きな北海道に住んでみたり、実家では毎日14時間睡眠のニート生活をしたり、突発的に和歌山の山奥で働いてみたり、気仙沼でゆったり暮らしてみたり、、、
大学生活の最後の方はそんな感じで過ごしてました。
休学することを考え始めたきっかけは何ですか?
大学1年生の3月にCMSPに参加し、次は自分もスタッフをやりたいと思ったのですが、私は愛知県在住なので大学に通いながら東京での週一ミーティングに参加することは難しいということで、じゃあ休学すっかぁ~って感じで色んな人に軽く話していたらだんだん休学が現実的になっていきました。
ちなみに私がスタッフをやりたいと思ったのは、当時のリーダーやスタッフたちが超キラキラしててカッコよくて憧れたので、東京に住んでスタッフやれば大好きなSETのみんなともっと関われんじゃーん!いっぱい会えんじゃーん!と思ったことが1番の理由です。えっ、なに、恋???
休学することを決め、実行するまでに、大変だったことはありましたか?
親にはとても反対されました。休学費がタダなのは良かったのですが、そもそも休学に対して、ストレートで卒業できなくなるという良くないイメージがあったのに加えて、私がそのまま岩手に移住するから大学辞めるわとか言い出すんじゃないかということも心配されていました。笑(あり得そうだけどちゃんと復学しました)
でも寧ろ、感情だけ先走っていた自分にとっては、休学して自分がやりたいことや、休学期間の具体的な過ごし方、お金に関しての見通しなどについて冷静に考えるきっかけをもらえたのでありがたかったです。
それらを言語化したり計画を立てたりしたうえで再び話し合ったらOKしてくれました。
休学期間を過ごすときに、心がけようと思っていたことはありますか?
休学期間が始まる前に“理想の休学ライフ”についてたくさん考えました。時間を無駄にしたくないという気持ちも少しはあったかもしれませんが、それよりも自分のやりたいことに飛び込める状況が嬉しくて、溢れ出てくる感情や理想を言葉にして書きまくっていました。
前半の半年は、CMSPスタッフとしての自分とインターン生としての自分、それぞれの自分がどう在りたいか、何をしたいのか、半年後にどんな自分になっていたいか、などを考えていました。
後半の半年は、もっとゆるく自分の心に向き合い、今日どこに行きたいか、今どんなことに興味が湧くか、何をしている時に気分が良いか、などを考えていました。
一貫して思っていたことは、休学期間が終わった時に「休学して良かった!」と自信を持って言える自分で在りたいということでした。
感覚的には、休学期間という良い匂いのするものを、美味しく食べ切ってお腹一杯になりたい、食べ残しなく平らげて満たされた状態で帰りたい、みたいな感じです。(伝われ)
休学中には主に何をしていましたか?
前半ハードワーカー、後半ニートという極端な生活をしていましたが、一年間を通して大学では得られないような小さな成功体験や失敗体験をたくさん積んだ期間だったと思います。
CMSPでは、町がどうなるともっと良いのか、自分たちは町の人や参加者に何ができるのか、などについてスタッフの仲間とこれでもかというほど話し合い、アイディアを出し、アクションや形にしていくということを、正解のない中でもがきながら一生懸命やっていました。
後半のニート期間で特に印象に残っているのは、全財産が578円になったことです。日払い即日バイトでギリギリ生き抜きました。人生何とかなるんだなと思いました。
その少し後にどうしても愛知に帰らなければならない用事があったのですが、お金がないので交通手段はヒッチハイクでした。人生何とかなるんだなと思いました。
休学期間を通して、自分自身にどのような変化があったと思いますか?
復学後、休学前には考えられないくらい大学が面白くなりました。
休学期間はアウトプットがほとんどで、実際に自分が興味があることに関してもとにかくやってみる!というスタンスでした。
その中で感じたことが無意識のうちに自分の中に蓄積されていたので、大学での学びに対してもリアルな温度感を持ちながらインプットできるようになったのかな、と思います。
というのが優等生な方の回答で、もう少し等身大な方の回答をすると、「より自由に生きやすくなった」かなと思います。
乗るべきレールから一旦外れると、自分のペースを保ちやすいし、好きなように動きやすい。
休学によるズレを自分の行動に対する理由(というか言い訳)に使ってるみたいなとこはあります。
レールの上で自分らしさを追求して実現していくのは大変だし怖いけど、レールから外れてしまえばこっちのもん、みたいな。笑
私はそれまで他人と比較したり周りに合わせたりしがちな人生だったので、自分らしく生きるためのきっかけが何か欲しかったのかもしれません。
休学期間を終えて、今後はどのように過ごしていく予定ですか?
休学期間を終えて復学してから3年間の大学生活を経て、今年の春に卒業します。4月からは気仙沼にある「架け橋」というゲストハウスで働きながら、地域おこし関連の仕事にも携わる予定です。わくわく。
とりあえず一年間働いてみて、また別の拠点に飛び込んでみても良いし、そのまま居座ってみても良いな〜とも思っています。
今、私には思い描いている夢がありまして。
いろんな人が集まる場所、誰かが誰かの役に立てる場所、人生の幅が広がる場所、誰かにとって居心地の良い場所、音楽と言葉が日常と共にある場所、助け合いが起こる場所、”良い”が拾える場所、、、そういう私の理想が詰め込まれた空間を作ることが今の夢です。
そのために今の自分ができることを少しずつやっていこうと思っています。
最後に、休学を考えている学生にメッセージをお願いします。
休学、オススメです!笑
私は休学して本当に良かったと思っています。休学で得られるものは人それぞれだけど、一つ間違いなく言えるのは、「自分らしく生きるきっかけになる」ということです。
やりたいことや目的は、あってもなくても良いと思います。どっちでも結局良い感じになるので大丈夫です、たぶん。
もし休学するかしないかで迷っているなら、したパターンとしなかったパターンで人生設計してみて自分が好きそうな方を選んだら良いと思います!笑
あ、あと!休学した時は、肩書きも所属も何一つない状態だからこそ、なーーーんにもしない期間を作ってみると面白いと思います。
私は、そうして何もなくなった時に残ったもの、自分を繋いでくれたものの大事さに初めて気付くことが出来ました。
よし、最後にちょっと役立ちそうなこと言えた気がするのでこれで終わります。
ありがとうございました!
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