休学することを選択肢に入れながら迷っている方の中には、
”ふつう”から外れてしまうことに対してどうしても不安がある方も多いかもしれません。
また、その”ふつう”と異なる選択をするのであれば、「なぜそれを選ぶのか」をちゃんと答えられないと、と考える方もいると思います。
だからこそ休学を諦めつつ、でもやっぱり、なんとなく惹かれてしまうものがある、というあなたにとって、今回休学体験談を書いてくれた石井勝猛さんの言葉は、希望を感じられるものであると思います。
石井勝猛 さんプロフィール
ー名前
石井勝猛
ー学校・学部・学年
株式会社はぐくむ・明治大学法学部4年生
ー休学中どんなことをしていたか
休学1年目の2018年は、オーストラリアのGriffith Universityに10ヶ月学部留学していました。その後、約4ヶ月間ベトナムのホーチミンにある日系企業でフルタイムのインターンをしました。
休学2年目の2019年は、株式会社TABIPPOという旅行系のメディア運営やPRを行う企業で、フルタイムのインターンをしました。ここでは、旅人採用という旅人の新卒、中途採用を支援する新規事業に従事していました。
ー現在のくらし
2021年の10月より株式会社はぐくむという社員4人の教育系ベンチャー企業に入社しました。この会社では、ライフデザインスクールという自分らしい生き方あり方について考える半年間のグループコーチングのプログラムの営業や、企業、学生団体への渉外活動を行っています。他には、個人事業的にクライアントに対してコーチングを行っていたり、株式投資や仮想通貨投資をしています。
ーSNS
Twitter https://mobile.twitter.com/jimmy5240160
Instagram https://www.instagram.com/jimmy_ishii/
Facebook https://www.facebook.com/k.katsuman
・休学することを考え始めたきっかけは何ですか?
1度目の休学は、海外大学に留学するためです。
休学を決めた当時は大学2年生だったのですが、めちゃくちゃ承認欲求に溺れていて。大学受験に落ちたことと、大学2年生の4月にアルバイトをしていた塾を辞めさせられたことから、とにかく周りを見返したいと思っていました。そこで大学2年生の間は、とにかく周りから「イケてる」と思われそうなことを行って。ヒッチハイク、富士山登頂、カリフォルニア縦断、東南アジア横断と色々やってみました。けれど、心の溝はなにも埋まらない。結局、人と比較しているのでずっと苦しいままでした。
東南アジア横断から日本に帰ってきた時、家のソファーで突然ものすごい恐怖に襲われたのを覚えています。バイトも適当にやっていて、サークルにも行ってない。「イケてそう」なことを沢山してみたものの、自分には帰る場所や待っててくれる人がいないという事実に目の前が真っ暗になりました。今思い返しても、この時が一番つらかったですね。つらすぎて、とにかく何かしないとと思い、考えついたのが海外の大学に留学することでした。海外の大学に行けば、0から人間関係をやり直せる。履歴書にも箔が付いて周りのことを見返せる。そんな思いから藁にもすがる思いで、私費で留学できる方法を模索します。留学エージェントを12社まわり、IBPプログラムという海外大学留学と海外インターンがセットになったプログラムを見つけます。成績は最下位でしたが、なんとかプログラムへの参加試験に合格し、海外大学へ留学できることになります。
当然、明治大学側への私費留学の申請期限はとっくにすぎていたので、休学という形を取りました。ですが、今となっては間違いなく休学して良かったと思っています。
(エアーズロック)
2度目の休学は、日本からベトナムに戻り、そこで1年間インターンをするためでした。
ベトナムでインターンをさせてもらった会社がとても良くて。この会社と社長のもとなら絶対成長できるという確信がありました。そこで、休学をもう1年延長し、ベトナムに戻ることを決断します。なので、2019年の1月末に一度日本に帰国し、再度休学をして、2019年の4月にベトナムに戻りました。
ところが、当初1年間インターンをする予定が、結果的にはなんと1ヶ月で辞めてしまって(笑)。もう、むちゃくちゃですよね。当時の僕には耐えられないぐらいの業務と責任に押し潰されてしまったんですね。
なので、2019年の5月には日本に帰国します。さすがになにかしないと示しがつかないと思い、慌てて長期インターンができる企業を探したところ、株式会社TABIPPOに出会います。既にインターンの採用は締め切っていましたが、オフィスに直接向かい直談判したところ、なんと採用してもらうことができました。このインターンはとても良くて、結果的に1年半ここで業務をすることになります。
休学2年目の流れとしては、こんな感じです。
・休学することを決め、実行するまでに、大変だったことはありましたか?
1回目の休学に関しては全くありません。
休学することへの恐怖を感じたこともないです。むしろ、休学せずになんとなく大学3年生になって就活する方が怖かった。なので、一度も迷うことなく休学を決めました。
ですが、2回目の休学に関してはかなり難航しました。
オーストラリア、ベトナムを経て、そのまま復学してもよかったのですが、「このまま復学したら、留学がただの良い思い出で終わってしまう」という想いがあって。
しかし、2回目の休学の理由はベトナムに戻ってインターンをすること、まして1年間の本当にやりきれるかわからなかった(事実、1ヶ月で日本に帰国している笑)ので、僕自身もそうですし、両親もかなり難色を示していました。
また、オーストラリアをあまりにも気に入りすぎて、そのまま明治大学を辞めて、オーストラリアの大学に転入するという手段もあったので、より迷いました。
特に、2回目の休学をすることに対して親からの反対がとても強かった。そこで、「僕の両親と同世代の大人の意見を聞いてみよう」と思い、吉祥寺の立ち飲み屋に3日連続で通い詰め、その場にいる親世代のサラリーマンに相談したりもしてました。
そこで、親の意見がどうやらそこまで的外れでないことに気づいたので、中退や転入することには譲歩し、「2020年の4月に必ず復学すること」を条件に2回目の休学することに落ち着きました。
(ベトナムでインターンしていた時の写真)
・休学期間を過ごすときに、心がけようと思っていたことはありますか?
なにもないですね。ただひたすら楽しむだけでした。
強いて言うなら、海外にいる間はあまり日本の友達と繋がらないようにしていました。嫉妬ややっかみが鬱陶しかったので。
・休学中には主に何をしていましたか?(印象に残っていることや、いまの自分に特に影響を与え たことだけでも大丈夫です)
2年間も休学していたので、主になにをしていたかを形容するのが難しいですね。
なので、休学生活で得たまなびを2つあげようと思います。
まず1つ目は、「自分がいかに狭い世界で生きていたか」です。
日本で生活していたときは、学歴とか会社名だけで人のことを判断していました。そして、それが自分自身のことを苦しめていることすら気づきませんでした。
ですが、オーストラリアにいってみると、そもそも誰も日本のことなんて知らないんですね。人種も国籍も宗教も違うのが当たり前。人と同一の価値観で比べることがナンセンス。自分がいかに狭い世界で生きてきたかを痛感しました。
あとは、現地の日本人永住者の方にとてもとても良くしてもらって。たかが10ヶ月しかいない留学生の僕に対してめっちゃくちゃ温かいんですね。
永住者の中には、日本社会からドロップアウトした人もいました。けど、遠く離れたオーストラリアで家族を作り、逞しく生きる様子に、「こんな人生もいいな」って思いました。
自分がそれまでの人生で良いとしてきたものは、あくまで自分も周りの環境や社会の中で良いとされてきただけで、一歩自分の枠の外に出てみると、こんなにも違った価値観や世界がある。もっともっと自分の視野を広げていかないと、と痛感しました。
(オーストラリアで一緒にサッカーをしていた仲間)
2つ目のまなびは、「なにかをするのに理由なんていらない」ということです。
みんな本当になにかと理由を求めすぎ。別に大した理由なく休学したって、とりあえず仕事やめたって全然大丈夫です。僕は今日も楽しく生きています。
それこそ、休学する前には「ただ留学するのは意味がない」とか「休学にはちゃんとした理由が必要」とか色々言われましたが、全部ウソです。みんな適当なことを言ってるだけ。正直、海外の大学にわざわざ行って学びたいことなんて何もなかったし、留学先の大学でも半分の単位を落としました。が、今となってはなんともないです。むしろ、ただのうのうと授業を受けるよりよっぽど有意義な時間の使い方をしました。
世の中の多くの人は、なにかすることに理由を求めすぎていると個人的には思っています。
別に大義名分なんていらない。なんかいいと思ったとか、モテたいとか、金持ちになりたいで全然okだと思います。
理由なんて何でも良くて、ただ、やるかやらないかだけです。ありがちな自己啓発本みたいに、「行動しよう!」って言いたいわけではありません。ただ、自分が興味があったり、やってみたいと思ったら、周りなんて無視して飛び込んじゃいましょう。
自分が本当はやりたいと思っていることがあるのに、それをしないことの方がよっぽど自分の人生にとってリスクがあると思います。
・休学期間を通して、自分自身にどのような変化があったと思いますか?・休学期間を終えて、今後はどのように過ごしていく予定ですか?
ふつうに日本社会で生きていくのは無理だなと良い意味で自覚しました(笑)。
それこそ、オーストラリアに留学した当初は、総合商社に行くことしか考えていませんでした。
けれど、オーストラリアやベトナムで沢山の日本人の方からお話を聞かせてもらったり、一緒に仕事をする中で、いわゆる「ふつう」は自分には合わないなと気づきました。合わせられるけど、全然幸せじゃない。それなら、別にもういいやと思いました。
なので、僕は社員4人の株式会社はぐくむという企業に入社しました。親には「ふつうに就職して欲しかった」と言われ、周りの人からは「どこ?その企業」と言われますが、最高に楽しく生きています。休学の時間は、自分を理解するために必要な時間だったなと感じます。おそらく休学してなかったら適当な企業に就職して、つまらない人生を過ごしていたでしょう。
酸いも甘いも経験した休学期間は、ありのまま自分らしい人生をおくる上で間違いなく必要な時間でした。
(株式会社はぐくむのみんな)
・最後に、休学を考えている学生にメッセージをお願いします。
休学しましょう!!!!
このメディアを見ているってことは、少なからず休学に興味があるってことでしょう?(笑)
もしそうならば、休学しましょう。別に就活にも不利にならないし、1年無駄にしても長い人生で見れば大した問題ではありません。
自分の胸に手を当てて、自分が本当はやりたいと思っていることを想像してみましょう。
ちょっと、ワクワクしてきませんか?
これからの時代、間違いなく自分がなにが好きなことや夢中なことを仕事に活かす時代になってくると思います。今までのように企業の歯車として従順に働く時代は終わりに近づいているからです。
だからこそ、自分が好きなことや、夢中なことをはぐくんで欲しいし、そのための時間として休学をオススメします。
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いかがでしたでしょうか。
休学エールッでは、これから様々な休学体験談を共有させていただく予定です。
お楽しみに!
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