コロナをきっかけに休学。自分の生き方と可能性が広がった北海道と東北の日々。

コロナ下で大学生の出来ることが制限されてしまう日々が続いています。
サークル活動や海外留学など、時間がある学生だからこそできることが制限されている今、「大学にいる意味あるのかな?」と疑問に思う人も多いかもしれません。

今回のゲスト石原来美さんもその一人。コロナをきっかけに大学にいる意味を見直し、休学して国内のいろんなところを回っていたそう。
「コロナだから」とできないことがよく目に見える今。くるみさんの休学生活はコロナでも面白いことができる1例だと思います。

今できることを全力で取り組むくるみさんの自由な休学期間を追いました。

<石原来美さんプロフィール>

静岡県出身。立命館大学4年生。社会で起こっていることをもっと知りたい!と思い、3年生秋学期に半年休学。休学中は岩手県陸前高田市広田町で行われているChange Makers’ Collegeに参加し、気仙沼でリノベーションのお手伝いをしたり、十勝で酪農体験したり、いろいろしていた。現在は塩で歯磨きしたり、湯シャンプーなど体本来の力を引き出す暮らしがマイブーム。

コロナがきっかけで「私大学にいる意味あるの?」と疑問に。

ー今日はよろしくお願いします。くるみさんはコロナがきっかけで、休学を考え始めたと伺いました。

 私が大学3年生の春学期にコロナの影響でオンライン授業になりました。当時はオンラインに移行したばかりだったので、授業もzoom配信とかではなく、録画配信や資料を渡されるだけの授業が多かったです。私はこの環境に対して「私はこれで高い学費分の学びを得られているのかな?」とすごく疑問に思いました。これから4年生になると、あとは卒業論文を書くだけになってくる。でも、1年間卒業論文を書くだけで、学費は何百万もかかるわけじゃないですか。私はそれがすごくもったいないなと思っていました。

ー確かに。オンラインになってキャンパスも使えなくなって、大学で学ぶ価値とかはすごく考えましたよね。

 そうですよね。それで、夏休みに西粟倉村で自給自足のような暮らしを体験したり、淡路島の企業でインターンをしました。その経験を通して、自分は社会のことを全然知らないこと愕然としました。私は今まで自分の興味分野しか学んでこなかったけど、実は社会では私の知らないことがめっちゃ起きていることを知りました。それで、自分の好奇心がどんどん膨らんできて、今社会で起きていることをちゃんと見て体験したいと思い、最初は退学しようと思ってたんです。

ーえ!退学しようと思ってたんですか!?

 そうです。大学1年で何百万もかかるなら、そのお金使っていろんな経験したほうが納得感があると思いました。その気持ちを両親に相談したところ、もちろん反対されて(笑)。退学する前に、半年間休学してどうするか考えてみたら?と提案されて休学することにしたんです。

ー休学は退学するかを考える猶予期間だったんですね。

 そうですね。でも、そのおかげで休学自体は反対されなかったのでとてもスムーズに休学することが出来ました(笑)。

いろんな人に出会って、自分の枠がどんどんはがされた

ー休学期間はどんなことしていたんですか?

 休学中は岩手県陸前高田市広田町で行われている「Change Makers’ College」に参加して、4か月間シェアハウスで田舎暮らしをしていました。その後、気仙沼でお家のリノベーションのお手伝いを1週間ほどして、十勝に行って酪農体験プログラムに参加してました。

ーいろいろやっていますね…。大半はChange Makers’ Collegeで過ごしていますが、具体的には何をしていたんですか?

 プログラムには授業があって、みんなで対話しながら自分のことを知ったり、ビーチクリーンをしたり、2週間でミュージカルを作って公演したりしました(笑)。プログラムでは自由な時間が多かったので、ご近所さんのお手伝いをなんでもやる「なんでも屋さん」を勝手にしたり(笑)、近くのカキ漁師さんのお手伝いに行ったり、猟師さんが鹿を捌くところを見学させてもらったりといろんな経験をしました。

 あと、広田町にいる人とたくさん話しました。広田町には昔から住んでいる地元の人もいれば、移住してきた若い人もいます。私は「こんなことできるのはすごいでしょ!」みたいな他人に評価されることを気にして行動してきましたが、広田の人たちは他人の評価よりも自分の感情に素直に生きている人がとても多くて。広田町で過ごしていくうちに、「自分の人生なんだから、自分が幸せになるだけで成功じゃん。」って思えるようになりました。それで、私も初めて自分の感情に向き合うようになり、他人の評価の前に自分の感情や興味を尊重する心地よさを知りました。

ーすごく面白いですね。自分の判断基準がアップデートされているというか。

 そうですね。他人に評価されることを大事にする自分も全然嫌いじゃないんです。その方が成長していることも実感するし、みんなに褒められるから嬉しいし(笑)。でも、やりすぎると、どんな行動でも「これは私にとってどんなネタになるのかな?」という思考になって、その場を上手く楽しめなくなる。私は広田町で「今を楽しむこと」をすごく教えてもらったなと思います。

ー気仙沼でのお手伝いの話や、十勝の酪農体験についても伺いたいです。

 気仙沼ではお世話になっている方からの紹介で、お家のリノベーションとお子さんの面倒をみるお手伝いをしていました。お手伝いをする代わり、1週間食費と寝る場所は用意してくれたので、ほとんどお金をかけず気仙沼に滞在することが出来ました。気仙沼でもたくさんの面白い人がたくさんいましたね。例えば、滞在させてもらったご家族のお父さんは自分の価値観を強く持っている人で、常識をすごく疑う人でした。だから、私の考え方を話すと「なんでそう思うの?」といつも問いかけてくれて、私の持っていた考え方の枠をどんどん外してくれました。気仙沼の人は自分の想いを熱く持っている人が多くて、刺激的な一週間でした。

 十勝の酪農体験もすごく面白かったです。私はもともとフードロスとか食について興味があったので、実際に食に関する知識が深められたのでよかったです。あと、プログラムに参加している人と話す中で、自分がこういうことできるんです!という会話をあまりしなくなったことに気づいて、自分も大きく変化したんだなと実感しましたね。

ー半年でそれだけ経験して、自分の変化を体感できるんですね。すごい。

休学期間はいろんな考え方に出逢える期間。

ー今まで休学中の体験を追ってきましたが、休学して変化したことはありますか?

 自分の興味範囲が広がりました。私はもともとフードロスや食に関することしか興味がなかったんです。それは自分が大学で学んでいたことだし、いろんなプロジェクトにも参加していたので、自分が知識を披露できることだったからだと思います。でも、休学を通して、自分の声に耳を澄ませることを知ったので、自分の興味にも素直になり、好奇心が様々な方向に向くようになりました。今は食だけじゃなくて、暮らしや、宗教にすごく興味があって探求しています。宗教なんて休学前には全然興味なかったんですけどね(笑)。驚きです(笑)。

ー休学でいろんな人に出会ったからこそ、見える視野も広がったのかもしれないですね。

 そうですね。私にとって休学期間は自分の枠が大きく広がる期間でした。いろんな人に出会えたことで、自分が今まで持っていた価値観がどんどん壊されて、大きくなっていく。そして、新しい生き方や働き方の選択肢もたくさん知れて、自分の可能性が広がることを実感した期間でした。可能性が広がったからこそ、見える視野も広くなったし、判断基準が多くなったからこそ、安定した自分に変化したのかもしれません。

ー素敵ですね。最後に、休学を迷っている人に向けてメッセージをお願いします!

 そうですね…。休学お勧めですよ!(笑)。大学に入ると「自分を変えたい」という人がよくいますが、自分を変える1番手っ取りはやい方法はいろんなところへ行って、様々な人に会うことだと思います。もちろん、それは休学しなくてもできるけど、自分のいる環境を移すことで学べることも多いです。休学はこの2つを時間をかけて出来る最初のチャンスだと思うので、ぜひ挑戦してほしいなと思います。

ー海外じゃなくても、いろんな場所へいくことで変化できることはたくさんある。くるみさんだからこそ言える言葉かもしれません。今日はありがとうございました。

 ありがとうございました!

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みなさん 優しく、話しやすい方です。

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”完全に確かな情報”は得にくく、”全ての人に当てはまる絶対的な正解”はどこにもない、そんな 自分の生き方にまつわることだからこそ、その中の1つの選択肢としての”休学”について、はなしてみませんか。

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