休学で「誰にも、何にも制約を受けない時間」を獲得し、世界が無限大に広がった

自分がどう在るのか、
それを選ぶ自由は 私たち自身にあります。

「”わたし”は、”独り” では成立し得ず、保護者をはじめ 様々な関係や環境・文化・歴史などとつながって、今 いる」というのは事実です。
そして、それに対して自覚的であることや恩を感じること は時に人を慰めることもあるでしょうし、大切なことなのかもしれません。

しかしそれは決して、「私たちの時間・私たちの人生・私たちの”生”の主導権が、私たち自身”だけ”にあるのではない」 ということと同義ではないと私は思います。

自分がどう在りたいのか、自分の時間をどう使いたいのか、それを考えるのも考えないのも、なにをするのも、その行動や選択に責任を持つのであれば、私たちは全てについて 自由です。

そしてその”責任”というのも、怖れを抱いてしまうほどの強迫的なもの ではないのではないでしょうか。

今回は、 有田 麻梨奈 さんの休学体験談です!!

有田 麻梨奈(ありた まりな)さん プロフィール

ー学校・学部・学年
立命館大学国際関係学部国際文化理解コース卒業

ー休学中どんなことをしていたか
アルバイト、図書館に通い詰めて読書、京都市内の旅(神社仏閣、他大学、イベント、水族館等をめぐっていた)
履歴書に残るような、何か目的をもって活動するような大したことは何もしておらず、ただ生きていました。

ー現在のくらし
陸前高田市広田町でNPO法人SETでコミュニティビジネス分野で活動。地域内食材流通サービス(通称ぴいろた組合)の運営や古民家カフェでの手作りお菓子の販売などをしています。
また、年に2回程度ビジネスプランコンテストに出場したりしています。
移住してから狩猟免許を取得しました。

休学中に描いていた絵

休学することを考え始めたきっかけは何ですか?

大学の授業が期待していたものと違い落胆したこと

私はそもそも大学に行きたいとは思っていなかったのですが、色んな圧力から半ば強制的に大学に行く事になったのでそもそも大学に期待していなかったんです。
でも、大学受験が終わってから高校卒業までの間にTEDトークやハーバード白熱教室を見て、「大学ってこんななの!?絶対面白いやん!」と思いました。こんなに双方向に授業が行われること、自分の知らない社会学/経済学/心理学等の奥深さにワクワクしていたんですが、実際入学したら大教室で200人の授業で、特に一回生の間は一般教養ばかりで当時の私には面白さが分からなかったんです。
もやもやしていて、6月には大学いかなくなりました。

あとは朝起きられないんですよね笑 9:00に学校に行くという事が私には難しかったです。

休学することを決め、実行するまでに、大変だったことはありましたか?

特になし!ノリで休学届けを出しましたw

あえていうならば、両親にはほぼ事後報告だったので色々言われたりしましたが、一切聞かず、勝手に休学届を出しました。

親不孝者かもしれないですが、こうやって私と親の関係はバランスが取れていたのではないかと思っています。自分のことを守るためにも、親自身に理解して貰う為にも強引さをもって勢いで決めること、気にしないことは重要なのかもしれないです。

休学期間を過ごすときに、心がけようと思っていたことはありますか?

特になし。上と同じく何の計画も立てずただ勢いで休学届を出しました。

休学中には主に何をしましたか?

人生で初めて「誰にも、何にも制約を受けない時間」を獲得した。

休学してアルバイトは最初の1カ月で辞め、あらゆる人と連絡を取れるツール(LINE等)を全て消したことで、誰とも連絡を取る事が無く、自動的に誰かに会うこともない状態になりました。
その時間の中で、保育園入学以降ずーっと誰にも予定を決められていない時間は存在していなかったという事に気付きました。土日休みや長期休暇があるとはいえその先の予定は決まっていたし、友達や家族との予定が入ったりで、日々は過ぎていっていました。

私は人生で初めて、空白の時間を得ました。誰からの連絡も受けず、私のことを待っている人もおらず、私が待つ人もいない。

それによって

①他者を求めるようになった

最初は自分の一人暮らしのアパートでただただ時間を浪費するようにYouTubeを見続けていました。そうするとある一定の期間からとてもとても苦しくなっていきました。ただ何もせず受動的に在り続けることはとても苦しいし、人に会わない事はとても苦しいということを初めて体感しました。
それまで、他者に影響を受けて自分が左右されて苦しい経験も多々したため「誰もいない世界」はとても自由だと思っていましたが、全然そんなことなく凄く苦しかったのです。

自分が何も動かなくなると、自然と体が動きたくなったり、人とどうしても話したくなったりしました。

2週間一歩も家から出ず、誰とも連絡を取れず、誰にも会わなかった時間を過ごした時の先には、コンビニに行って店員さんがいるだけでとてもうれしくなりました。この世界に自分以外の人間が存在しているという事自体が嬉しくてたまらなかったんです。だから、人に会えば誰にでも話しかけていました。コンビニでも、銭湯でも、神社でも。。。(一歩間違えると危険な奴w)。ヒトが情報ではなくて、そこに生きている人になったんです。

②自分の創造性・好奇心が膨らんだ

それに行動したくてたまらなくなった。それで、他大学の授業を受けたり、郷土の神社仏閣をめぐったり、そしたら仏教について知りたくなって比叡山延暦寺に行ったり。
そうやって、一つの行動がどんどん色んなことを思いついて行動がコロコロ繋がっていった。大きな情熱を持って行動したわけではないです。

ただ、人生で初めての空白の時間は私の思考と好奇心の世界を無限大にしてくれて、あらゆる場所を無限大に拡張していけました。
私が毎日寝る6畳ほどの部屋も、壁や天井がクラフトやアートの鑑賞の場であり、記す場所として広がり、ベッドの中もただYouTubeをみて時間を潰して自分を紛らわすための世界から、自分が思考し世界の広がりを感じる場所へと広がっていった。又、京都市は、それまで見向きも気づきもしなかったただの建物が鑑賞の対象になって歴史を感じる場所となった。

時間軸が過去や未来に広がり、物理的空間も範囲が広がり、興味の範囲も広がったのです。

③自分のことを深く知る機会になった

当時抱えていた問題と向き合う事で自分の生き方・在り方を問い直しました。その時の自分の状態にしがらみを与えている問題を深堀り、その自分自身の過去としっかり向き合う事で、今の自分を許す事が出来ました。そして、それは他者を許し、繋がることの根源でした。

大学教授の畑に行ったり

休学期間を通して、自分自身にどのような変化があったと思いますか?

世界が広がった。物理的に空間的に。

自分にやさしくなれるようになった。そして人にやさしくなれるようになった。

物事が変化し続けるという事を知った。

休学期間を終えた後、どのように過ごしていく予定でしたか?

えーこの質問私難しいなあ。

当時の私は休学後のプランは無かったです。とりあえずそのまま時間が過ぎていって、終わってから考えようと思っていました。

雑貨屋でばったり話して仲良くなった芸大の学生のおうちに行ってみたら、「らりるれろ」に出会い、私もそれに魅せられた

最後に、休学を考えている学生にメッセージをお願いします。

どんな人生を選んでもいいと思います。自由に自分の人生を選んでみても、意外と怖いことはないです。

目的なく休んでいい。転がる方に転がる。なんやかんや自分で見つかる。履歴書に書いたり、人に説明したり、FBで共有する必要なんてないんです。自分が選びたいように選べばいいのです。

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